「よ、寄ってこないよ…?」
「来るよ来る!」
「でも私、今まで好きになってもらったことないもん!」
「そりゃ佐田がいたからで…」
なんで翔ちゃんがいたら好きになってもらえないの…?
「とにかくさ!よかったって言ってたでしょ?男子たち!」
「だって、翔ちゃんが好きだからでしょ?」
目を見開く、有里ちゃん。
「違うよバカ〜!」
「ええっ!有里ちゃん?!」
そして私に抱きついた。
「とにかく私が守るから〜!」
「あ、ありがとう…?」
いまだに騒がしい教室の中。
私は最後まで、有里ちゃんの言っていることを理解できなかった。

