…矛盾してないですか?
「なにそれ?いいやつなんじゃないの?」
おかしくて、クスクス笑う。
「ただいいやつなだけじゃないってことだ」
「変なのー」
じゃあ、優しいだけじゃないとは、思っとこうかな?
なんて、心の中で考えた。
そうやって話してると、ちょうど家が見えてきた。
「あ、もうこんなに歩いたんだ!早いなあ」
翔ちゃんと話してたから、全然気づかなかったけど。
家のだいぶ近くまで、来ていたみたいで。
ちょっとびっくりした。
「翔ちゃん、今日はありがとうね!」
「俺、朝頑張っただけ」
少し、低くした声。
それがわざとだとは、わかるけど。

