つぎの日


私は早く来て屋上で空を眺めてた。


「なんで私はあの家に産まれたんだろ。


私があの家に産まれなかったらこんなに傷つく事も無かっただろう。

戦わないで済んだだろう。」


「なに、ポエム言ってんの?」


私は声がして慌てて周りをキョロキョロする。

「下だよ下。」


「下?」


下に目をやると。


焼けた肌に茶色い髪。

黒い目。

真っ白の歯。


「あなた…だれ?」


「え?俺ら同じクラスじゃん。


木下 潤〈きのした じゅん〉」


「木下くん…?」


「潤でいいよ、咲桜。」


「急に呼び捨て…」


「咲桜はここで何してんの?」


「クラスに行ったってここにいたって変わんないから、


嫌なことを聞かない屋上にいるの。」


「やな事?」


「そ。


あなた聞かない?


私のうわさ。」


「俺、本人の口から聞いたことしか信じねぇから。」


その時私の胸が締め付けられた。


「あ…そ。」


「ねぇ、クラス戻ろ?」


「なんでよ。」


「だって俺の前の席いねーんだもん。」


「…それ、私関係ある?」


「大あり!

だって、俺の前の席咲桜だもん。」


「あーなるほど。


でも、さっきも言ったでしょ?


やな事聞きたくないから行かない。」


「ふーん。


そっか。


…なんで言わないの?」


「…は?何を??」


「噂。


それは違う!


って、なんで言わないの?」


「みんな面と向かって言ってこない。


みんなが一斉に色々うわさするから誤解を解きたくても解けない。」


「じゃあ、尚更教室行こう!


誤解を解こう!」


「…え?


え、ちょっ!」



彼は私の手を引き


私達は階段を駆け下りる。