｢…咲桜さん。


木下潤は帰りましたよ。｣



｢そうですか。｣


｢なんで、あんな言い方したんですか？


ほんとはそんな事思ってないのに。｣


｢私から離れる理由を作ったの。｣


｢離れる理由？｣


｢私と仲良くしたから私が死ぬまでずっと私の世話を見ないといけないじゃない。


私から彼が離れたら、


彼が悪者になる。


だから、私から離れたの。｣



｢…僕には彼がそんな事望んでないと思いますよ？｣


｢…そうかな？


病人なんてお荷物なんだよ。｣



｢へー。


彼はそんなやつなんですね。｣


｢え？｣


｢咲桜さんから離れてもらって


ラッキー


なんて思うやつなんですね。


彼を少しでもいいやつだと思った私が間違ってました。


彼の性格はクソなんですね。｣



｢そんな人じゃない！！｣


｢でも、咲桜さんが言ってるのはそう言う事じゃないですか。｣


｢違う！


私は彼を締め付けたくないの。


私なんか忘れて自由に生きて欲しいの。


彼には…彼だけには…｣


｢咲桜…｣


｢潤？！｣


｢すいません、私がそこで話を聞いとけと言いました。｣


｢なるほど。


一関さんはあんなこと言いませんもんね。｣


｢失礼しました。｣



｢咲桜…｣


｢潤。｣


私たちが見つめあっていると、


一関さんたちは気を使ってくれたのか部屋を出ていった。