コンコン




陰山咲桜と書かれた部屋を叩く。


「はい。」


と元気のない声で返事が帰ってきた。

「…咲桜。」


「あ…潤、久しぶり。」


ドアを開けると前より痩せて

前より元気がなくて

前より金色の髪の毛が減った咲桜が


ベッドの上に横になってた。


「咲桜…その…


すまん。


避けて。」


「あぁ。


そのこと?

いいよ。いつもの事だし。


信頼したらすぐに離れていく。


いつもの事だよ。」


「いや、その。


俺、咲桜がガンって知っててあの日


風邪か?


って、聞いたんだ。


だけど、その時

咲桜に風邪だった


って、言われて、俺。


信用されてないのかなって、、、


だから避けた。


ほんとにごめん。」



「そっか。


私もね、言おうか悩んだよ?


でも、言ったって心配かけるだけで何も変わんないじゃん。


私の病気が良くなるわけでもない。

だから、風邪だって言ったの。」



…なんか咲桜が冷たくなった気がする。


これは…気のせいなのか?