「ゴホゴホ、ゴホゴホ。」


「咲桜さん、大丈夫っすか。」


父の仕事仲間の一関〈いちのせ〉さんが私を心配してくれる。


「はい。

熱もないですし、

ただ咳だけ。」

「そうですか。

最近はインフルとかありますし気をつけ下さい。」


「ありがとうございます。

ゴホゴホ、ゴホ…ブフッ…」


「だ、大丈夫ですか?!


え…血…

おい、お前ら救急車っ!」


「「はい!」」

「大丈夫ですか?!

大丈夫ですか?!」



私は知らないうちに気を失っていた。