無自覚なきみは、確信犯。


「ひ、ひかるが…?一目惚れ…恋?少女漫画の読みすぎ?ごめん、あんなキラキラした物あんたに貸したのがよくなかったか…いやあ、でも相手が悪いって…」


いや、リコ…顔があからさまに引きつってるよ、そんな大袈裟なこと言われると傷つくぞ。

でも、リコがここまで言ってくるのも無理はない。
ほんとに、これまで恋愛なんてものを、まともにしてこなかったんだから。

高校に入って1年ちょっと、告白はされたことはあったけど、付き合った経験はなし。 恥ずかしながら、初恋もまだ。

恋なんか、まだよくわからなかったし、好きっていう気持ちだって、分からない。

片思いとか付き合うとか、どちらかというと、面倒くさいもののような気だってしてた。

人見知りしない楽天的な性格のおかげで、男友達も多いけれど、恋愛に発展することは全くなし。
むしろ、相談役のほうで頼りにされちゃってるし。

あたしも相手も、友達以上にはなれないんだとわかりきった関係。
それで楽しいから、いいんだけどね。

友達が楽しそうに好きな人の話をして盛り上がってるのを見て、羨ましいなんて思ったことはあったけど。

だらだらと過ごしてそのまま、2年目の春を迎えたところだ。