無自覚なきみは、確信犯。



「…まったく、あんたって子はいつもいつも…」

「やめてよ、リコ…思い出すと恥ずかしくて死にそう」

頭をかかえてか細くうなるあたしの隣で、盛大にため息を吐くのは、クラスメイトのリコ。 さっきからずっと、あきれ顔。

「っていうか、好きな人がいたなんて聞いてないよ私! 相談してくれてもよかったじゃん…まさかあんな大胆なことするなんて…」

「いや、ちがうんだってリコ。信じて。ちょっとこれにはわけがですね…」

ほんとに、今すぐ消えてしまいたい。

ちなみに、今はお昼休み。 わたしとリコはいつものように、教室でお弁当を広げてる。 ただし、まったく喉を通らない。

新学期早々、あんだけ目立っちゃえば、いくらあたしだって落ち込むよ…

その例の騒動はといえば、噂は広まりに広まって、今日は廊下を歩けば指をさされるわ、知り合いにはからかわれるわ、もう既に勘弁って感じ。

はあー。あたし、なにやってんだろ。