失くしたと言っていた右目を 隠すように覆う眼帯の奥で、少年は どんな世界を見てきて どんな体験をしてきたのだろうか。 少女はそれが気になったし、 自分を外に連れ出してくれたことが 何よりも嬉しかった。 「あ……」 何かを思い出したように少年は言った。 「俺、スフィアって名前なんだ。 何かあったらいつでも呼んで。 すぐ駆けつけるから」 「はい。私はアミューといいます」 少女も自分の名前を言うと――。