夜。 それはそれは静かな夜だった。 そんな静寂を破ったのが 彼――というか彼がこの部屋に入ったときの "バリーンッ!" と窓が割れる音であった。 部屋にいた少女は少年に駆け寄る。 しかし ものすごい勢いで窓を割って入ってきた少年は 思いのほかけろりとしていて 「え?あ、平気平気」 と彼女に笑ってみせた。