にじいろ。




こうして一緒にいると
僕たち人間と彼女たち妖怪の流れる時間は
違うのだと改めて感じた。


僕の時間は足を止めることはおろか
遅くすることもせず
ただただ同じ速さで淡々と流れている。


彼女の時間は
僕がここに住んでいたあのときまでは
僕の時間と同じ速さで進んでいた。


けれど僕がいなくなってからは
それが徐々に遅くなっていき
今ではあの頃の彼女の姿のままで
停止している。