可愛くて懐かしくて、どこかほっとする声。 僕はこの声を知っている。 確かにこんな感じだった。 ……忘れかけていた。 だけど忘れてはいなかった 僕にとっての特別で大切な存在。 ――彼女だ。 「ただいま」 そう言いながら 僕もまた彼女を抱き返した。 彼女は何も変わっていなかった。 声も髪の長さも身長も 全てがあのときと同じままだった。 比べて僕はもう高校生だ。 身長も伸びたし声変わりもした。