――ごめん――
最後に耳にした
彼女の小さくて短い言葉。
当時は
これが最後だなんて思ってもみなかった。
翌日にはちゃんと謝るつもりでいた。
当然だ。
だってこのとき
彼女を失うなんて誰が思っただろうか。
このあと彼女がいなくなるなんて
誰が知っていただろうか。
近くに彼女がいることが
俺の中のどこかで
当たり前になっていたのかもしれない。
だからこそ
彼女がいなくなって初めて気がついた。
こんなにも愛しいと哀しくなるのだと。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…