にじいろ。




間違いなくあたしはここにいる。


だけどあの人たちも
"あたし"に声をかけている。


どうしてわからないの?


あたしはこっち側にいるのに……。


その疑問は、すぐに消えた。


あたしが今見ているのもは
"あたしの身体"とそれに集まる人々。


……そうだ。


あれは……。


あれは"あたしの身体"だ。


――じゃあ、あたしは……?





――ここでみんなを眺めている
"あたし"は、何……?





あたしの中の混乱は収まらなかった。


それどころか
酷くなるばかりだった。