気がついたとき
初めに見たのは"あたし自身"だった。
それも
地面に横たわる"あたし"。
そして
周りには周辺の住民らしき人たちが
群がっているのも見えた。
――……ちょっと待って。
みんな何やってんの……?
彼らは"あたし"に向かって
「大丈夫ですか!」
「しっかりしてください!」
と必死に呼びかけている。
「ねえ!」
あたしは叫んだが
その声は誰にも届いていないようだった。
「みんなよく見て!
あたしはここにいるんだよ?
"それ"はあたしの――」
そこで突然声が出なくなった。
――あたしの、何……?



