にじいろ。




――バカだなぁ、あたし。


少しずつではあったけれど
彼が遠ざかっているのは感じていた。


それが寂しくて
彼が離れていくのが嫌で
あたしは必死に繋ぎ止めようとしていた。


あたしのそばにいてほしくて。


彼のそばにいたくて……。


だけど
その行為が彼の心に余計な負担をかけ
逆に遠ざけてしまったのかもしれない。