にじいろ。




何かが


爆発した。


あたしに向けて発せられたそれが
彼のものであると理解するまでに数秒かかった。


ずっと溜まっていたと思われる
彼の鬱憤のようなものが
一気に噴き出してしまったのだと思った。





「……ごめん」





足が震える。


あたしは声を出すのに精一杯で
それしか言えなかった。


これ以上言葉を交わすことなく
あたしは黙って彼の家を出た。