にじいろ。




彼の中の何かが変わった。


前髪で作られた影が瞳を隠していたため
彼の表情を読み取ることはできなかった。


もうこれ以上
ここに長くいちゃいけない。


ただ、それだけはわかっていた。


でも……。


わかっていたけれど
あたしはそこから動けなかった。