本当はもう知っているんだ。





お互いの顔がリンゴみたいに
真っ赤だということを。





本当はもう気づいているんだ。





心臓の鼓動がとても速いということを。





わかったんだ。





この胸の高鳴りは





『恋』という名前なのだと――。










雲ひとつない青空の下で、
桜の花びらは風に乗ってふわりと舞っていた。


-END-