にじいろ。




「もう、"ごめん"はやめようって言ったでしょ?
春野くんは何も悪くないんだから」


「でも俺が……!」


「お願いだから謝らないで」


サクラがユウタの言葉を遮った。


こんなふうに言うのは変なことなのだが、
サクラは今の自分の状態に
絶望してはいなかった。


こうやって毎日ユウタが来てくれることが
嬉しかった。


だけど彼は、
来ては謝ってばかりいる。


悪いのは自分だと言い続けている。


本当は違うのに。


本当はただのこちら側の不注意なのに。