「俺も知ってるのかと思ってたけど、反応見てると気付いてなさそうだよね。」



「 ……。バカ。」




「 早苗さん、次の時間、試験なんじゃないの?」



「 …うん。そう。」




「 行きなよ。」




湊の背中は相変わらず寂しそうだった。



私が初めてこの場所で話したあの日も…





湊は悩んでいたのかもしれない。





私は湊の背中に手を置いた。





「 大丈夫?」