「カイ……カイは一人じゃないよ」
私はカイに手を差し出す。
ーボコボコボコ
幻魔特有のスライムのような触角が、私に延びる。
「もう下がれ、触ったりしたら…」
ルークに肩を掴まれ、後ろに引っ張られる。
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫な気がするんだ」
これは直感。でも、この身に沸き上がる熱は、あの炎のような光炎とは違って、傷つけるものではない気がする。
「……ったく、頑として聞かねぇよな、お前は」
「はは……」
呆れるルークに私は苦笑いする。たぶん、相当心配かけてるんだろうな。
「隣にいてやる。ただ、俺か危険と判断したら、躊躇なく剣を抜くからな」
「うん、ルーク、ありがとう」
私が笑かけると、ルークは記恥ずかしそうにそっぽを向いた。
『一人……いや…だ………』
「一人なんて、しないよ」
私の伸ばした手に、触角がすがるように触れた。その瞬間ー……
『もう…もう、バスケが出来ないって………』
「っ!!!」
ーズキンッ
酷い頭痛がする。私は痛みに耐えながら、その触角に触れ続けた。
『嘘だ……うぁぁああああっ!!!』
絶叫、嘆く声に涙が溢れた。そうだ、これが………カイの譲れないものを失った痛み。


