◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~




「カイ……カイは一人じゃないよ」


私はカイに手を差し出す。



ーボコボコボコ



幻魔特有のスライムのような触角が、私に延びる。



「もう下がれ、触ったりしたら…」


ルークに肩を掴まれ、後ろに引っ張られる。



「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫な気がするんだ」



これは直感。でも、この身に沸き上がる熱は、あの炎のような光炎とは違って、傷つけるものではない気がする。



「……ったく、頑として聞かねぇよな、お前は」


「はは……」



呆れるルークに私は苦笑いする。たぶん、相当心配かけてるんだろうな。



「隣にいてやる。ただ、俺か危険と判断したら、躊躇なく剣を抜くからな」


「うん、ルーク、ありがとう」



私が笑かけると、ルークは記恥ずかしそうにそっぽを向いた。




『一人……いや…だ………』


「一人なんて、しないよ」


私の伸ばした手に、触角がすがるように触れた。その瞬間ー……



『もう…もう、バスケが出来ないって………』


「っ!!!」


ーズキンッ



酷い頭痛がする。私は痛みに耐えながら、その触角に触れ続けた。



『嘘だ……うぁぁああああっ!!!』



絶叫、嘆く声に涙が溢れた。そうだ、これが………カイの譲れないものを失った痛み。