「怖い…の?」
『怖い…………』
そうだよね、怖いに決まってる。ここは、都合の良い夢なのかもしれない。
失った自由をまた手にする事ができる、玉手箱のような奇跡のようで、結局、代償は存在する。
夢のような時間が、長い年月と引き換えに老いへと代わったように。
「私には、カイの痛みを全て無くす事は出来ないけど…」
あの世界には、センリがいる。それに、カイは学校でも人気者だったんだ。きっと、助けてくれる人が沢山いる。
「怖くて震える夜も、悲しくて、太陽が滲みる朝も、傍にいて、一人にしないから!!だから、全部を怖がらないで」
私たちの事を信じて………きっと、支えてみせるから!!
そう、強く願うと、体の芯から熱が沸き上がるのを感じた。私は、その熱に覚えがある。
幻魔を消したあの力だ………
でも、カイを消しても大丈夫なの?あの幻魔はどこへ行ったんだろう。
あぁ、でも……『ありがとう』、幻魔は確かにそう言った。今の苦しそうなカイはそのままには出来ないから……
私は意を決して、カイを見据えた。


