◇Sleeping Beauty◇~暁の目覚める時~





「サーカスの入り口に、誰かがいたほうがいいだろう。おい、ルイス」



センリは遠くにいるウサギ耳の男の子に声をかけた。すると、ルイスは私達に笑顔で駆け寄ってくる。



「なんだよ、センリ!僕に銃を教えてくれるの!?」



ルイスは可愛らしい笑顔でとんでもないことを口にした。



今、銃って言わなかった!?



「飛び道具はまだ早い。まずは、玉乗りを覚えろ。それが今のお前の仕事だろ」


「えーっ、僕、ピエロなんてやだよ!!カッコ悪いし!」



二人の会話を呆然と聞いていると、カイが私に耳打ちした。




「俺たちサーカス団は、まずピエロからやらされて、それぞれの特技を見つけて初めて一人前の団員になれんだ。ピエロにすらなれないヤツもいるけどな」


「へぇ、結構シビアなんだね」



サーカス、私とは縁の無い世界だなぁ。華やかに見えて、物凄い努力が必要なんだろう。



「あ、じゃあ、昨日のピエロって、まさか君!?」



上手に玉乗りしてたなぁ……。まさか、あの舞台のピエロさんに会えるなんて感激!



「君じゃなくてルイス!今にセンリみたいな拳銃使いになるんだ!」



ルイスはヤル気満々にガッツポーズをする。



「センリは、ルイスに慕われてるんだね」


「懐かれてる、の間違いだ」



苦笑いのセンリに、私は吹き出す。



そう言いながらも嬉しそうなのは、見間違いではないだろう。カイに比べて、あまり表情のないセンリにしては珍しい笑みだった。