でもね、その自分との約束は呆気なく崩れ様としていたんだ。

そう…あなたに出会ったから。




高校に入学して、通学路に慣れ始めた頃。

一番落ち着く道に出会った。それは並木通り。

学校に行くには、少し遠回りだけど、いつも私はこの道を通る。




それともう一つこの道を通る理由がある。

それは、並木通りにポツンと置かれた、ベンチ。

いつもそこには男の子が座って居て、いつの間にか目で追うようになって居た。




毎日目で追う度に、分かってくる。

あなたの仕草やクセ…それを見て私はクスクスと笑ったり、興味を示したりする。

それが楽しみで、わざわざ遠回りしている。




男の子は誰を待って居るのか、分からないけどいつもベンチに座って本を読んでいる。

私がこの道を通る時間帯はいつも…誰かを待っているあなたしか見たことがない。




誰を待っているのかな?



彼女?友達?