ここは平安。

魔がはびこる世の中で、それらを退治する強い霊力を持った者たち、陰陽師が多く活躍していた。

その陰陽師の中でも、すごく有名な男がいた。

彼の名は、雪之丞 宗祐。

まだ20代と若かったが、その力はとても強く数々の魔のものを退治してきていた。

彼には権之白山という相棒がいた。
白い大きな犬で、まるで宗祐とは一心同体のように、常に側にいて、宗祐の片腕としてなくてはならない存在だった。

一人と一匹は、あっという間にその名を轟かせ、人間たちだけでなく、魔のもの達にも知れ渡ったのだった。

それが災いし、彼らは魔のものから狙われるようになった。

が、それは彼らにとって、戦えば戦うほど強くなるという結果を産み、ますます彼らは力をつけたのだった。

そんなある日、彼らの元へ依頼がきた。

ある山に住む、鬼を退治して欲しいとのことだった。

それは煉獄鬼と呼ばれる鬼で、全身炎を纏ってる、それはそれは大きな鬼だった。

老若男女、手当たり次第に人を喰らい、ほろんだ村は数知れず。

その鬼の討伐を頼まれたのだった。