「じゃあどこにでも飛んで行ける翼を」


「僕がキミの翼になるよ。行き先を言ってくれればすぐに連れていってあげる。

あぁ、そうするとデートだね。
大丈夫、デートのコースからプランまで抜かりなく調べてアマナに喜んでもらえるように頑張るからね」



あ、ダメだこりゃ。


話通じねぇ。


全部が全部、宵の中で都合のいい方に行くことを悟った。



「ねぇ、なんでこんなことしたの?」



キョトン、とした顔で宵は私を見て。


とろけそうなほど甘い顔になって柔らかく笑う。


口元は緩やかに弧を描き、その表情は幸せそう。



「アマナを愛しているから」


「うん、それは分かったから」



というか、好きから愛してるにグレードアップしたのは触れない方がいいのだろうか。


……いいや、無視しとこう。