そんな至極真っ当なことを考えている私とは違い、なぜか宵はやる気を出している。


そのやる気を違うことに使えよ。



「今度は、もっとアマナをドキドキさせてあげるからね」



宵はニッコリと魅力的な笑顔を私に向ける。


どこか無邪気で、無垢で、子供みたいなあどけない笑顔。




……そういえば、初めて会ったときもこの笑顔がひどく印象に残ったな。


友達同士で集まって、ちょっとした飲み会をしよう、と言われて私も参加して。


知らない人が結構いる中で宵が話しかけてきた。


気があうと言うか、人付き合いがあんま上手くない私でも、宵といるのは苦痛でもなければ、逆に嫌いじゃなかった。


私にしては珍しい方だったと思う。



…………そっか。


なんだかんだ言って、嫌いじゃないんだ。