「たぶん、二人で過ごすには十分な広さだと思いますのでご安心ください。あなたに安心感を与えます。」



「あ、うん……それはいいんだけど……」


「はい?何かご不満でも?あなたに問いかけます。」


「……いや、ご不満ってか……アンタの趣味の領域にびっくり中だよ…。」



「え?そうですか?あたりを見渡して見ます。」



白い壁が見えないくらいきっちり貼られた色とりどりのアニメポスターに、フィギュアが綺麗に並べられている棚に、勉強机の上にあるグッズの山…。




「これはある意味すごいよ…アンタ…。」


「はわっ!?それは褒めて頂いているのですか!?♪期待に胸をふくらませます!♪」

「うん…自分の趣味を全力で全うしているし…素晴らしいよ…ある意味だけど…。」



「はぁぁっ♪そんなにお褒めいただいたのは初めてです!♪光栄です!♪黒龍さんに最大の喜びを表現します♪」



と、喜びの舞を踊り始めた天野川。




まぁ、よく見たら天野川の趣味以外の部分は普通の家と変わらず、キレイな部屋だった。



「整理整頓はしっかりしてるんだね。」



「あ、あまり細かいところまで見ないでくださいね…?私にだって目の行き届かないところがありますから…、人間は他人が気づかないところに気づいてしまう生き物でもありますから…。」