「カフェいこーか。」
「そだなー」
「お腹すいたー」
そんなことで、近くのカフェに入ることになった。
カランカラン…
「いらっしゃいま…え…」
カウンターの店員さんの様子がおかしいから、そっちの方を見る。
するとそこには、会いたくなかった人が。
「あっ、く…ん、」
カタカタ…
こわ、い。
やだ、やだやだやだやだ…
「さや、か…」
「イヤッ!!!」
伸びてきた手を払い、店を出てとにかく走る。
やだやだやだやだやだ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
なんなの、なんなのよ…
もう、いいじゃない…!!
来るな、来るな来るな!!
ガシッ
「い、やっ!!」
急に肩を掴まれて、あいつがきた、そう思った。
そう思うと怖くて怖くて、その手を振り払って逃げようとするけどなかなか振りほどけなくて。
「さやかっ!」
いつも聞いてる、あの低音の声が耳に入った途端、ハッと現実に引き戻される。
「し、のの、め…」
「はぁ、急に走ってんじゃねーよ。」
「うっ、うぅ…うぇ…」
「はぁ…こっち来い。」