The girl is “Betrayer”




「うるさい」


そう呟いた言葉は妙に響いて。


「紗矢香ちゃん…?」

「なんなの?」


だめだ、まだ、まだだめだ。

わかっている。

「ちょっとぶつかっただけで!そんな痛かったの!?」

周りは急に声を荒ぶる私に驚いている。

みんなお口を開けて、おもしろいなぁ。


「あんた何様なの!?」

「そ、そうだそうだ!!」


私に向けられる罵声なんて、もう慣れた。

「うっふぇ…紗矢香ちゃん、私、ね?」


「…」

泣きながら話し始める栗原絢香。


「もう、みんなに心配かけたくないから、ね?」


「…」


「もうっ、関わらないでほしいッ…」



…は?


「そーだ、そーだ!!」