The girl is “Betrayer”


とある日の放課後。

早く帰るために少し下を向いて歩いてた。

ドンッ


「あ、ごめんなさ…」


あ、やば。

当たったのは、栗原絢香。


…やばいぞ。

「うっ…ふぇ…」

はぁ…

いつものように、なにか私がやっちゃうと泣き出す栗原絢香。

そんな痛かった?


「ちょっ、絢香ちゃんのことまだいじめてんのー!?」

「最低!!死ね!!!!」

死ねっておかしくね?

死ねって言うほどでもなくね?


この騒ぎは段々、段々でかくなっていく。

「は!?絢香に手ェ出したぁ!?」

「まじで!?栗原を殺しかけた!?」


…どんだけ噂に尻尾ついてんだよ。

殺しかけたって論外でしょ!?

信じないでしょ普通!


「紗矢香ちゃ、ひどいよぉ…」

…ぶつかっただけだよ?


「はぁ…」

つい出たため息に、過剰反応する周り。

「ため息とかありえない!!!!」

「死ね!!!!」

「自分で起こしたことだろ?最低だな」


だから、死ねっておかしいだろ。