The girl is “Betrayer”




「どいてって言ったんだけど。」


早く、早く…


「待てって言ったんだけど?」

「ッ…」


早くどいて、じゃないと…

「どいてっ!!!!」


私が声を上げたことにびっくりしたのか、要は一歩引いた。

よしっ。

空いた道から、走って逃げる。

「あっ、ちょ!!待て!!」

「にげた!!」

そんな彼らの声なんて聞こえない。

聞きたくないッ!!


早く、彼らから離れるように。

走って走って、ついたのは屋上。



さっきまで我慢していた涙が、ぼろぼろと落ち始める。


「ふっ、うぇ…」


終わってしまった。

大好きだった仲間。


もう、関わることはない。

もっとみんなと遊びたかった…
海とか山とかお泊まりに行ったり…

もっとみんなといたかった…
隣に、いたかったよ…


「うっ、うわぁぁぁぁぁぁん!!!」