The girl is “Betrayer”




「っ、ひど…私だって何言われても傷つかないわけじゃないの!!」


はじめて、俺に涙を見せて、俺に怒った。


そんな梨花を始めてみて、調子に乗りすぎたことに気づいた。


それから、1週間口をきかなかった。


その間に、梨花がいたから毎日が暇じゃなかったこと、梨花の存在が思ったより大きかったことを知った。


その時に気づいたんだ。


おれ、梨花のことが好きなんだ、と。


1週間経って、もう我慢できなかった。



「梨花っ!」


廊下で歩いていた梨花を呼び止めて、そのまま梨花を初めて出会ったあの桜の木の下まで連れて行った。


「なん、なの!どうせ、空は私のこと嫌いなんでしょ!!」


なわけないでしょ。俺、梨花の事好きなんだから。

ただ、その一言が言えない。

勇気がない、ただそんな理由でまた冷たい言葉をかけるんだ。


「…そうだと思うわけ?」


「そうでしょ!!私の気持ちなんて考えないで…!!」


「…梨花の気持ちって何?」