それから、梨花は暴言を吐き続けたにもかかわらずずっとひっついてきて。
「ねえ!空!海行こうよ!」
「は?やだよ。てかなんで呼び捨てにしてんの」
「私の勝手ですー!」
「はぁ?」
相変わらずうざい。
いつもいつも振り回されて、いくら拒んでも拒んでもくっついてきた。
…だから調子に乗りすぎた。
ある日のこと。
「ねぇー!今日クレープ食べに行こ!空の奢りね!」
今日は特別イライラしていた。
「今日は無理」
「えー?いつも空暇でしょ!行こうよ!」
無理っつってんじゃん。
しつこいな。
「ほら!いこう!!」
「無理っつってんじゃん。まじしつこい。」
「なんでそんな怒ってんのー!?ほら、はーやーくっ!」
今考えればそんなイライラすることでもないんだけど、その時の俺の中で何かが切れた。
「うるっせえんだよ!無理なもんは無理なんだよ!まじお前うざいんだけど!死ね!」
そう、言ってしまった。
ついさっきと同じように、死ね、と。

