大関紗矢香、高二。

高校二年生になって半年。


一人になってしまった今でも思い出す。

“元”仲間の彼らとの出会いを。


「お前は何を抱えている。俺がお前を守るから。だから…


“どこにもいくな”」


そういった彼に、後ろで微笑んでいた彼らが暖かくて。

つい、気を許してしまった。

それがきっと、過ちだったんだ。

気を許してはいけなかった。





「見て、あいつ。学校来てるよ。」

「うわ、よく来るよね。」

「キモっ。死ねばいいのにあんなやつ。」


彼らの裏切り者の私はみんなの裏切り者。

彼らの仲間は、みんなの仲間。


その印に…ほら。


「きゃぁぁぁぁっ!」

「拓馬さまぁぁぁっ!!!」

「廉くーーーーん!!!」

「要くーーーーん!こっちむいてー!!」

「こっちみた!きゃぁぁぁぁっ!」


“彼ら”もといイケメン集団は

ここらでは有名な暴走族、青龍。


みんなの人気者。

ここの現姫、栗原絢香は私の居場所を奪った張本人。