大関紗矢香、高二。
高校二年生になって半年。
一人になってしまった今でも思い出す。
“元”仲間の彼らとの出会いを。
「お前は何を抱えている。俺がお前を守るから。だから…
“どこにもいくな”」
そういった彼に、後ろで微笑んでいた彼らが暖かくて。
つい、気を許してしまった。
それがきっと、過ちだったんだ。
気を許してはいけなかった。
*
「見て、あいつ。学校来てるよ。」
「うわ、よく来るよね。」
「キモっ。死ねばいいのにあんなやつ。」
彼らの裏切り者の私はみんなの裏切り者。
彼らの仲間は、みんなの仲間。
その印に…ほら。
「きゃぁぁぁぁっ!」
「拓馬さまぁぁぁっ!!!」
「廉くーーーーん!!!」
「要くーーーーん!こっちむいてー!!」
「こっちみた!きゃぁぁぁぁっ!」
“彼ら”もといイケメン集団は
ここらでは有名な暴走族、青龍。
みんなの人気者。
ここの現姫、栗原絢香は私の居場所を奪った張本人。