陽介の手、大きい。
私の手をすっぽりと包んじゃう。
ギュッと、私は陽介の手を握り返した。
大好きだよ。
不安になっても、心配しても、すぐに笑顔になる。
この関係が、ずっと続けばいいのに。
この幸せが、永遠だったらいいのに。
「あれ?海?」
陽介と話しながら帰り道を歩いていると、前から私を呼ぶ声が聞こえ、顔を向ける。
するとそこには、幼馴染の凪雲くんがいた。
「凪雲くん!どうしたの?」
「今、海の家に行ってきたところだよ」
「え?私の家?」
「母さんが作ったケーキ、おすそ分けにね」
凪雲くんの家はケーキ屋。
よく私の家に、凪雲くんの両親が作ったケーキをおすそ分けしてくれるんだ。
私は「ほんと!?やった」と言って喜んだ。



