「わがまま?手をつなぐことが?」
私はコクンと頷く。
「はははっ」
「え?どうしたの?」
私の頷きを見た陽介は、いきなり大きく口を開けて笑い出した。
え?え?
なんで笑ってるの?
私、笑われるようなことなんて一言も言ってないのに!
私の頭の上にはハテナがいくつも浮かんでいる。
さっぱり理由がわからない。
ギュッ……
「!」
「これがわがままだったら、俺、もっと海にわがまま言わせたいんだけど」
「え…っ?」
陽介は私の右手を自分の左手を重ねて、指と指を絡ませる。恋人つなぎだ。
繋がれた手のひらから、温もりを直接感じる。



