「ほんとわかりやすい奴」
「……っ」
「言えよ。呆れたりしねぇから」
陽介……。
目の前にある陽介の表情は、少し複雑そうな、不安げなものだった。
私、陽介を心配させてる。
不安にさせてる。
ズキン、と胸が痛いと叫んだ。
好きな人を……彼氏を心配させるなんて、ダメなのに。
不安にさせるようなこと思ってないのに。
こうやってすれ違っていく恋も、あるのかな。
そんなの、嫌だよ……っ。
私は頬をつねる陽介の手に、自分の手を添えた。
大丈夫だよ。
そう伝えるように、優しく重ねる。
陽介の揺れている瞳を真っ直ぐ見つめる。
心配しないで。不安にならないで。



