ムニ。
「よ、ようふへ……!?」
いきなり両頬を陽介につねられて、私は目を丸くする。
え、え……!?
なんで私、つねられてるの!?
何かしちゃった?怒らせちゃった?
なんでー!?
「今思ってること、吐け」
「はひ…!?」
陽介の顔がズイッと目の前に来て、近くなる。
そのことにドキッとしながらも、陽介が低い声でそう言った。
い、今思ってることって……!
私は首をブンブン振って、嫌だ、と伝える。
すると、私の頬をつねる力が、ほんの少しだけ強くなった。
だけど「痛い」と言うほどではなくて、頬をつねる陽介の指からかすかな優しさを感じた。



