夏休みが終わり、新学期。
また毎日、琴平先輩に会える。
そう思うと、学校に行く足取りが軽くなった。
琴平先輩とは恋人同士になったけど、実は映画デート以来会っていない。
琴平先輩は部活が忙しく、私も私で友達と遊ぶ約束をしていたりして、予定が合わなかった。
しかも、受験生の琴平先輩はこれから更に忙しくなる。
デートできる回数は、きっと少ないだろう。
だけど私は、それでも構わない。
一秒でも長く、彼の隣にいられたら、それだけで十分。
――昼休み。
久し振りの屋上で、琴平先輩とランチ。
まだ暑い空気と、照らし続ける太陽。
もう9月なのに、夏の雰囲気を漂わせたまま。
「今日は全部一人で作ってきましたっ」
私は自慢げにお弁当を、琴平先輩に見せた。