だけどコメディーな感じだから、その涙もすぐに引っ込んじゃうんだけどね。
『恋が甘いなんて、誰が決めたの?』
あ、このセリフ……。
本で見た、あの言葉だ。
『私の恋は、おかしいの?賞味期限が切れているのかな。
私の恋は、まったく甘くなんてなくて、切ないほど苦いの』
『いつか苦さがなくなるさ』
『だけど私の恋は、賞味期限が切れてしまっているから、きっとこれからも甘くない。それならいっそ、忘れてしまいたい』
『忘れたい?本当に?』
『忘れたいよ。……だけど、忘れるなんてできない。
だってこれは、私の初めての恋だから』
ヒロインとヒロインのことが好きな男の子の会話。
切ないシーンに、私の目が潤む。
『賞味期限が切れていようとも、それは恋だよ』
『うん……っ』
『その恋を思い出にするのも、恋だ』
泣いているヒロインを、男の子は優しく抱きしめる。
失恋を癒すのも、恋。
それって少し、残酷だ。



