「えいっ!」
私は目をつむって、送信ボタンを押した。
画面には、「送信しました」の文字。
うっすらと目を開けて、その文字を確認した私は、ホッとしてベットに倒れた。
ドキドキ。
琴平先輩、「OK」してくれるかなぁ?
緊張と恋と不安と少しの期待。
それらが混じりあったこのドキドキは、いつもより大きく飛び跳ねていた。
琴平先輩はサッカー部の部長さんだから、夏休みも部活があることは知ってる。
それに高校三年生。
受験生ってこともわかってる。
忙しいことは重々承知だけど、
一緒に映画、見たいなぁ。
もし、またデートできたら
「好き」って言えたらいいな。
夏祭りの時は言えなかったけど、今度は。
声にならない想いを、頑張って変えるんだ。
声に乗せて、想いを届けるんだ。



