「花、つけるね」
「はい、ありがとうございます」
受付に行くと、受付係の人が私の制服の胸ポケットに花を付けてくれた。
その花には「ご入学おめでとう」という言葉が書かれた白いリボンもついていた。
入学、したんだ。私。
「おめでとう」
受付の人が私に花を付けたあと、そう言って優しく微笑んだ。
今初めてちゃんとしっかり見た、受付の人の顔。
優しそうで、真っ直ぐで、視線をそらせなくなる。
かっこいい……。
思わず呟きそうになった言葉を、寸前で呑み込む。
短髪に整った顔立ち、優しそうな声に高い身長。
絶対モテるだろうな、と思った。
凪雲くんと同じくらいかっこいい。
私の胸は自分でも気づかないくらい、小さく揺れていた。
トクン……。
甘い音を立てながら。