――夏休みになった。
結局夏祭りの時以外、琴平先輩とは出かけていない。
だけど、夏祭りの帰り、連絡を交換したのだ!!
これでも進展ありだよね。
私は自分の部屋で、琴平先輩のメアドをじっくり眺めながらニヤニヤしていた。
「ふふふふ」
やばいやばい。
声まで漏れてたよ。
こんな姿、空に見られたら“変な奴”扱いだ。
でも……。
「ふふふふ…」
嬉しくて、嬉しくて。
琴平先輩がすぐ近くの存在になったような気になって。
やっぱり自然と口元がにやけちゃう。
だけど未だに連絡回数はゼロ。
メールしていいのか、電話していいのか不安になって、緊張して。
意気地なしの自分にため息が出るよ。