――ヒュ~~~……

ドォォンッ!!






「あ、花火だ……」



大きな音が響き、私と琴平先輩は空を見上げた。




一輪の大きな花が、散りばめられた星が光る夜の空に打ち上げられた。

まるで、満開に咲き誇っているようだ。





「綺麗ですね」


「そうだな」





でもその花火は、すぐに散ってしまう。


まるで失恋した恋心のよう。





儚くて、淡くて、だけど綺麗で。


そんな恋を胸の中で、大事に大事に抱えてる。






琴平先輩。



声にならない想いごと、どうか伝わって。


私は視界に琴平先輩と花火を映し、胸元で掌を握っていた。




強く、強く。

想いを壊さないように、だけど離さないように。