「はぁ~~」
頭上から、琴平先輩のため息が聞こえる。
呆れたかな?
……私のこと、嫌いになったかな?
そう思うと、またじわりと目が潤む。
「無事でよかった」
ホッとしたような口調に、私の目はさっきとは違う意味で潤んだ。
え……?
「静かなところ行こうか」
「……はい」
私は琴平先輩に連れられて、祭りの音がかすかにしか聞こえない距離にある公園へ。
公園のベンチに座る、私と琴平先輩。
「ほんと、無事でよかった」
「……嫌いに、なってませんか?」
「え?」
「私のこと、嫌いになってませんか?」
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