「今から?……いいけど、」




微笑みながら、電話を続ける。






ねえ、空。

私ね、空にも幸せになってほしい。




だけど、そんな願いは、もうとっくに叶っていたんだね。






背中を教えてくれたときの空の微笑みからは、苦しみや辛さなんて感じられなくて、ただ柔らかでふわりと舞っている花のような笑みだった。


「幸せだよ」と言っているかのような。







「え?嬉しそう?……そうね、今、すごく嬉しいの」






空は窓の外を見て、優しく呟く。








「――私も、大好き」





愛が詰まった想いを言葉にして、空は囁いた。