「凪雲くんは、どこかに行ってきたの?」



「いや、俺もこれから行くところ」



「どこに?」




「花丘高校の隣にある若葉公園」






……なんでそこに?



私は理由を聞こうとしたが、すぐにその言葉を飲み込んだ。





凪雲くんの表情が、とても優しくて大人っぽくて、どこか真剣なものだったから。





なんとなくだけど、理由が頭に浮かんだ。


もしかして……――。







「凪雲くんも幸せ?」



「……ああ、幸せだよ。これから、もっと幸せになる」




「そっか。よかったね」