空は私の背中を押して、笑顔でそう言ってくれた。 「ありがとう、空!」 私は振り返って、空にそう言った。 階段を下りながら、手ぐしで髪を整える。 変じゃないかな? 大丈夫かな? 見た目を気にしながら、私は家を出た。 「あ……、凪雲くん」 「海……」 家を出ると、たまたま私の家を通り過ぎようとしていた凪雲くんと出くわした。 「どこ行くの?」 「啓林大学」 「……そっか」